エストニア

人口は福岡市とほぼ同じ、国土は九州ぐらい。

「北欧のシリコンバレー」と呼ばれ、高度な電子政府や電子行政サービスを実現している。

2001年に開発された「XRoad」は、年金保険や住民登録、医療保険、納税など各省庁のデータベースをインターネット上で統合し、国民や公務員からのアクセスポイントを一元化している。

国民にはICチップ入りの身分証明書「国民IDカード」が配布されており、このカードによってほとんどの行政サービスが受けられる。また、携帯電話に電子証明書の情報をもたせたSIMカードを格納した「モバイルID」も利用できるようになった。この携帯電話に専用アプリケーションをダウンロードして通話すると本人確認がなされ、電子署名までできるから、ほとんどの許認可や届出、書類の受け取りなどはこれで済ませることができる。

ネット上で閣議が行えるシステム「電子内閣(e-Cabinet)」がある。閣議の議題がネット上にアップされ、それを国民も見ることができ、事前に合意できるものはネット上で決済されるため、実際に閣議を開く必要はない。

電子納税申告(e-Tax)は、日本より普及していて、国民の95%が利用している。納税はクリック最低5回で済み、還付金がある場合は数日で振り込まれる。

XRoad」には行政機関だけでなく、銀行や医療機関などの民間機関もアクセスすることができるため、医療や教育、ビジネスにも電子システムが利用できる。

医療に関しては、e-Health(電子健康管理)が普及している。電子カルテシステムが導入されており、患者の既住歴や健康診断の結果などを統合し、保管していく。処方箋も電子化されているから、患者はIDがあればどこでも薬がもらえる。

教育では、生徒の成績や宿題、出欠状況が集積され、学校、生徒、保護者が閲覧できるeSchoolや、教師が自分でカスタマイズした教材を提供できるe-Learningというシステムが導入されている。

駐車場管理にはe-Parkingのシステムがあり、混雑して駐車スペースが不足すると料金が上がり、空いていれば下がるというように駐車料金が変更され、一極集中を防げる。

省庁と地域とで個別運用していたシステムをすべて統合した「XRoad」というシステムを作り上げ、日本が始めようとしている「マイナンバー」のはるか先をいくeガバメント(電子政府)を、小国ゆえの機動性を生かして短期間で作り上げた。

スマートフォンのSIMカードの中にICチップ入りの国民ID(身分証明書)を搭載し国民データベースと連動させることで、選挙の投票もスマートフォン上でできるようにしている。これがあれば世界中のどこからでも開票一週間前から投票できるし、開票作業も一瞬で完了する。

教育、医療、クレジットカードでの通貨の出し入れなどもICT化されていて、銀行も大半が店舗を持たないeバンク化している。自分のクレジットに匹敵するものが自動記帳されるため、年間を通じての税金の計算も即位に終わる。当然、後で細かい修正を加えられるように仕組みも作られている。税理士・会計士は基本的にいらない。