保育園

保育園経営は“利権化”している。

私立認可保育園の多くは社会福祉法人によって運営されている。社会福祉法人は地域の篤志家などが自らの財を提供して設立し、保育園運営を始めたケースが多い。
 しかし、補助金事業で公的側面が強いにもかかわらず、後任の理事長も自ら決めることができる。法人税を支払う必要がなく、一族を職員として雇うことも多い。女性職員は30歳までに辞めるように仕向けつつ、なるべく若い職員を中心にして人件費を抑えている。実際の賃金と補助金との差額が、利得になるからだ。

かつて認可保育所の設置者は、市町村か社会福祉法人に限られていたが、2000年には株式会社やNPOにも開放され、定員や資産の条件も緩められた。しかし、その中身は骨抜きであった。特殊な会計基準を強要され、補助金は既存の認可保育園に比べたら利用できないものも多かった。株式会社による申請があっても、自治体が認可しないことも多く、株式会社などによる認可保育園は全体の2%以下にとどまっていた。国からの補助制度の問題で、社会福祉法人が運営する保育所は施設整備費の4分の3が補助されているが、株式会社の場合は同じ補助が受けられなかった。また、実際の認可権を持つ自治体が撤退リスクや保育の質の低下を懸念して株式会社の申請認可に消極的であるケースも多かったため、長らく参入が進まなかった。

基本的に夕方になれば仕事の途中でも子どもを迎えに行かないといけないなど、利用者の置かれた就業環境にそぐわなくなっていたが、民間が参入してから確実に保育のメニューが多彩となり、着実に待機児童解消に貢献。施設への補助金が違うことから保育料が認可保育園よりも割高だがニーズがある。

小学校前までの教育にかける国費の額で、日本は先進国24ヵ国のうち、最下位に近い。認可保育園を増やすのはいいが、予算が限られたなかで数だけ増やしても、一園当たりの補助金は薄まり、保育の質は落ちてしまう。本来なら、予算の増額を目指すべきだ。

現金での支給では遊興費に消えかねない。広く薄く予算配分するより、重点配分する視点も必要だろう。教育バウチャーも一考するべき。

劣悪な認可外保育園のチェック体制や、既存の認可保育園のムダを削減するような改革、新規参入の緩和など制度全体の見直しもセットで導入することも必要。